会社として1番苦渋の決断になるのが、リストラの判断です。しかし、会社の1番の出費ともいえる人件費が大きく削減できる施策ではあります。一長一短の施策ではあるかと思いますので、メリットでメリットを整理してみたいと思います。
–リストラのメリット–
①固定費の削減(人件費)
これは単純に、人件費が削減され、大きな固定費の支出が減ります。
②減った人員の分の光熱費・設備費等の経費圧縮
人数が少なくなったことに付随しておこる削減事項です。一般的に、人を雇うのに、給料の3倍の費用を使っているといわれています。年収300万の人であれば、会社としては900万円をその人に対して使っている、という話です。スリムな組織になったことにより、たとえばいままでより狭い場所で仕事が可能になった→賃料などの固定費の削減→スペースに付随して、光熱費、ガス、水道費などの削減 というようなメリットが出てきます。引っ越しをしなくても、今まで使っていた外の倉庫の中身をオフィス内に置けるようになった→倉庫の固定費の削減、ということもあるでしょう。
③社員の質のアベレージの底上げ
リストラをするときは、給料に対して、見合ったパフォーマンスを発揮できない人がリストラの対象となります。言葉を選ばずにいえば、お荷物社員です。 まず、そういった人がいなくなることで、社内の能力のアベレージがあがります。やる気や能力のある社員だけの組織になれば、それは他の社員のモチベーションにもつながるでしょう。
–リストラのデメリット–
①社員士気の低下
これは、メリット③と相反する部分ではあるのですが、 リストラをすることにより、会社に対する不振や不満など、いわゆる“会社の空気”を損ねる可能性は十分にあります。
②経験が豊富な人材の喪失・若い世代への技術伝達機会の損失
これもリストラのデメリットとしては必ず出てくるお話です。
リストラを言い渡されるのは、給料を多くもらっている壮年層である場合が多く、会社にいた年数も長いため、明文化されないノウハウが、その人にたまっていることがあります。そのノウハウが若年層に伝わらないままリストラに至ると、結局は若年層の成長スピードが遅くなり、雇用の有効活用という視点ではデメリットになります。
普段から、たまったノウハウはアウトプットをさせ、会社の財産にしていくことが1番なのですが、社員同士の競争意識もある故、書くように簡単な話にはならないでしょう。
③悪評のリスク
リストラという施策をとる以上、「わだかまり」がゼロの状態で 退職を頂くというのはなかなか困難なことでしょう。個人がwebで会社の情報を簡単にながせる世の中ですので、リストラをされた側の人間が、「○○会社はブラック企業」というような 情報を匿名で世の中に発信をしてしまう可能性がどうしてもあります。
これはリストラうんぬんの話の前に、どんな局面でも起こりえることでしょう。個人の言論ですので、そこを完全にリスクヘッジをするのは難しいことですが、通達する際に、どこまで会社が誠意のある対応をできるか、会社の意図というのをきちんと伝えるか、ということしか出来る手だてはありません。
ダウンサイジングの目的、意義、またその効果目論みを事前にきちんと算出し、実施をする際には十分な検討が必要な経費削減です。
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